自主性
息子が幼い頃、親が干渉すると子供が自主的に動けなくなるとか、指示待ち人間になるという話は、色々な育児記事や本などで見かけました。
だけど、この話には根拠となるデータがあるわけではなく、思い込みによる部分が多いのではないかと最近感じています。
逆に、幼い頃は親が適度に干渉したほうが良いと思われるデータは私が知る限り複数あります。
例えば「意図的養育と放任的養育」でも書いたように、放任主義で育った子供よりも、親が意図的に適度に干渉して育てた子のほうが学歴が高くなっています。
また「幼い頃に母親と勉強すると学力が伸びる」でも書いたように、幼い頃から母親と子供が一緒に勉強すると、あとあと認知能力を伸ばす手助けになるそうです。
「ペリー就学前プロジェクト」や「アベセダリアンプロジェクト」を見ても、やはり大人が幼い頃から教育的な介入をした子のほうが、非認知能力が伸びていています。
そこまで大きな研究データではありませんが「自主性を重視しすぎると自主性が育たない」で書いたように、子供に自分でやりなさいと言った先生と、子供を手伝ってあげた先生では、後者のほうが自主的に動けるようになっています。
総合的に見れば、私には子供に干渉せずに放置している家庭の子のほうが、悪い結果になっているように思えてなりません。
著名人
佐藤ママ
佐藤ママは自他ともに認める過保護であり、それなりに子供に干渉して育てられました。
だけど、お子さんは大学受験の際に、床で寝てしまうほど必死で勉強したり、佐藤ママが世間からパッシングされた時は自らコメントをだされたり、自分で動けない子に育っているようには見えません。
そもそも、東大理Ⅲに入るには、親にやらされている勉強だけでは無理だし、自ら頑張る自主性がないと無理だと思います。
佐藤ママが適度に干渉した結果、もともと優秀だったお子さん達が全員東大理Ⅲに合格するという快挙が成し遂げられたのではないでしょうか。
ボーク重子さん
以前「ボーク重子さん」でも書きましたが、ポーク重子さんのお子さんは全米最優秀賞を受賞されたそうです。
しかも自分で調べて自ら行動するという自主性を持たれています。
ですが、ボーク重子さん自身、12歳までは娘さんの先回りをして育てていたと、反省されています。
だけど、結果的にお子さんは自主的に行動して、勝利をつかみ取っています。
また、ボーク重子さん自身も、かなり過干渉な家庭で厳しく育てられたそうです。
だけど、自分で海外に出ることを決めて、その後は海外で事業をはじめて成功されています。
今では本も出されたり、とても意欲的に、自主的に行動されており、自主性のない方には、とても見えません。
成田教授
大学教授であり「高学歴親という病」の著書でもある成田さんも、かなり過干渉な家庭で育たれていたようです。
でも、その結果神戸大学の医学部を卒業して、大学教授までまで上り詰め、本まで出されています。
さらに「子育て科学アクシス」という団体も立ち上げて、代表になりとても精力的に活動されています。
とても自主性のある力強い方だと感じますが、この方も実際は、やはり過干渉な家庭で育たれています。
不登校家庭
不登校家庭をネットで見ていると、とても無気力で、自主的に動けていないお子さんが多いです。
実際に私が知っている不登校家庭のお子さんも、自由に育てられた結果、無気力で楽なことしかしたくないと考えるような人間に育っていました。
近年、親が子供に干渉すると、子供のやる気がなくなるとか無気力になると言われることは多いです。
でも、私は、最近、これは逆なのではないかと感じています。
「回避癖を防ぐことの大切さ」でも書きましたが、私は、幼い頃に親が子供を自由にさせすぎた結果、回避癖がついて何ごとにも無気力になっている可能性のほうが高いのではないでしょうか。
実際に「自分の頭で考えらえれる子」で書いたように、親が何も言わずに育てた結果、無気力な子に育った例もあります。
天才児の場合は、親が干渉しないやり方があってるのかもしれません。
ただ、普通の子の場合は、親が適度に干渉して、自信がつくところまで練習させたり、学習習慣などの良い習慣を作ってあげることで、子供の中に自主性や積極性が育つのではないでしょうか。
だから、あまり育児記事や育児本の耳障りの良い情報に流され過ぎずに、しっかり子供を育てていくことが大切だと思います。