挑戦しない勇気 | 普通の子がこつこつ頑張る中学受験

挑戦しない勇気

挑戦への誘い

先日、息子があることに挑戦しないかと誘われました。

その時期には他にも息子にとって大切なイベントがあり、同時期に2つの練習をしていくのは難しいと感じました。

また練習できる期間も短く、とても時間が足りないと感じました。

息子はやりたそうでしたが、私は他のイベントとの兼ね合いや難易度、期間の短さなどを息子に伝えて、よく考えるように助言しました。

最終的に誘ってくれた人が息子に挑戦するか聞きましたが、息子は「やらない」と言いました。

するとその人は「失敗してもいいんだよ」「本当に挑戦しなくていいの?」「失敗しても、きっと良い経験になるよ」と息子に言いました。

だけど息子の答えは、やはり「やらない」でした。

>> 息子のプロフィール

子供を挑戦させない母親

きっと、その人は私のことを、息子の挑戦を阻む最悪な母親だと思っているでしょう。

息子のことも、挑戦しない臆病な子だと思っていると思います。

だけど、私は何にでも挑戦すれば良いというものではないと考えています。

その時期は息子にとって他に大切なイベントがあり、息子はそれに向かって、これまでも練習してきました。

しかも遠い目標として中学受験もあり、そのための勉強も毎日少しずつですが継続してやっています。

そんな状況の中で練習期間も短く難易度が高いものに新たに挑戦し、全てが中途半端に終わってしまうことが果たして本当に良いことなのでしょうか?

それが本当に良い経験になるのでしょうか?

息子は本来好奇心が強く、何事にも前向きに取り組める子です。

だけど今回は自分の挑戦したいという気持ちより、一つのことに集中して取り組むことを自分で選びました。

二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉があるとおり、あれこれ手を出しすぎると、全てが中途半端に終わり何も得られないこともあります。

私は息子の選択は正しかったと思います。

失敗してもいい

よく失敗してもいいからと言って、子供に挑戦させようとする人がいます。

でも、それって結局、他人ごとだから言えるんだと思います。

失敗を笑わない」にも書きましたが、息子は幼稚園で失敗し、それから手をあげられなくなったことがありました。

息子はどちらかと言えば、失敗を気にするタイプの子です。

子供だからみんな大丈夫なわけではなく、子供なりに失敗すれば傷つきます。

周りの大人は小さな子供の失敗は、かわいいと感じるでしょう。

だけど大勢の人の前で失敗すれば、子供だって恥ずかしくて消えたい気持ちになります。

失敗した時に「失敗してもいいんだよ」、「大丈夫だよ」と子供を慰めるのは良いと思います。

ただ成功の可能性が著しく低いものに対して、失敗してもいいから挑戦しろと大人が言うのは、少し身勝手なのではないかと思います。

本当に良い経験になるのか

誘ってくれた方は「失敗しても、きっと良い経験になるよ」と言っていました。

だけど9割以上の確率で失敗するものに手を出して、どっちつかずになり両方失敗することが、本当に良い経験になるのでしょうか?

期間や条件的に見て成功の可能性が低いものに挑戦するのは、勇敢なのではなく無謀だと私は思います。

私は息子に挑戦させるのなら、客観的に見て5割以上は成功する可能性があるものにしたいと考えています。

失敗のしすぎは危険」にも書きましたが、失敗が続くと失敗が日常になってしまい、失敗しても気にしなくなってしまうこともあります。

また子供の自己肯定感が下がってしまう危険性もあります。

断る勇気

何でもやりたがり安請け合いして、結局できないと途中で投げ出す子もいます。

息子も本心では、きっと挑戦してみたいと思っていました。

だけど別の目標のために、自分の意思で挑戦することを我慢しました。

もっと前に声をかけていただけてたり、他の予定がない時期であれば息子も挑戦したかもしれません。

でも最終的に両方に挑戦するには、時間が足りないと判断して息子は諦めました。

別の目標のために挑戦しないことや断ることだって、息子にとってはとても勇気のいることだったと思います。

だから私は挑戦しない選択をした息子を褒めました。

自分で考えて、きちんと目標を一本に絞った息子は偉かったと思います。

子供のうちは何にでも挑戦する子が評価されやすい世の中ですが、大きな目標のために小さな挑戦をしないことを決めた息子を、私は評価したいと思います。

人生は取捨選択の連続で、何でも欲しがってしまうと、結局一番欲しかったものが手に入らないこともあります。

息子には、安易に何にでも手を出してしまうような人間ではなく、実現可能かどうかを真剣に考えて、取捨選択のできる人間に育って欲しいと思います。

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