自己肯定感を重視しすぎるのは危険
近年、育児関連の書籍や記事の中で自己肯定感の重要性が語られることは多いです。
私も自己肯定感はとても大切だと思っています。
だけど自己肯定感を重視しすぎた子育ては危険だとも思います。
なぜなら自己肯定感を高めようとしすぎると、幼児的万能感を持ったまま大人になってしまう危険性があるからです。
実際に大人になっても、自分ならできると叶わぬ夢にしがみついている人はいます。
そのため、いつまでも自立できないような人もいます。
幼児が持ってる万能感
幼児の頃は、みんな万能感を持っています。
自分は何だってできるし何にでもなれるスーパーマンだと思っている子は多いです。
だけど「勉強の大切さを教える時期」にも書いたように、私は早くから息子に現実を教えてきました。
また才能と努力に加えて運もないと成功できないような仕事についても教えています。
だから息子の幼児的万能感は、周りの同じ年の子供達よりは低いと思います。
だけど息子の自己肯定感が周りの子供達より低いとは思いません。
自己肯定感
自己肯定感とは自分に価値があると思える力です。
そして、ありのままの自分を受け入れられる力です。
自己肯定感を育てるには、親子間の愛着関係をしっかりと築いて、親がどんな子供でも愛しているという態度をとることが大切だと言われています。
「愛情不足」でも書きましたが、子供を愛していない親なんてほとんどいないと思います。
だけど、愛情がうまく子供に伝わっていないことはあると思います。
毎日きちんと言葉やスキンシップで、子供に愛情を伝え続けることは大切だと思います。
幼児的万能感
幼児的万能感は自分にはものすごい力があると思い込むことです。
これは幼い子供なら誰しもが持っている感覚です。
本当に才能がある子なら良いですが、才能がない普通の子が幼児的万能感ばかり大きくなってしまうと、将来苦労すると思います。
大人になっても、自分はこんなところで働くレベルの人間じゃないとか、もっと自分にふさわしい場所があると考えるようになってしまう危険性もあります。
自己肯定感と幼児的万能感は別物ですが、自己肯定感を育てるつもりだったのに、結果的に子供の幼児的万能感が強くなってしまうこともあります。
ほめ過ぎ注意
自己肯定感を伸ばすために、子供をほめましょうと書かれている育児書は多いと思います。
ただ、何でもほめれば良いというものではないと思います。
子供をほめて育てすぎた結果、わがままでどうしようもない子供に育ってしまったという記事も読んだことがあります。
例えば他の子の絵が選ばれた時に「選ばれた子の絵よりも、あなたの絵のほうが上手だったよ」と、他の子と比べて我が子が1番だとほめるのは良くないと思います。
同様に「〇〇がなければ1番だったのに惜しかったね」等、本当は我が子が1番だったかのような表現でほめるのも良くないと思います。
子供の実力が足りなかったという現実は、子供にもきちんと受け入れさせたほうが良いと思います。
その上で「お母さんは、あなたの絵の〇〇なところが好きだよ」とフォローしたり、「もっと上手くなるように、たくさん練習しようね」と励ますほうが良いと思います。
何でも自分の子供が1番であるかのようにほめていると、幼児的万能感ばかりが強くなってしまうこともあるので注意が必要だと思います。