自走モードには親の手助けも必要
よく中学受験で大切なのは、子供が自ら勉強に取り組む姿勢だと言われています。
中学受験が自分ごとになっていない状態で、親に言われて嫌々やっても成績が伸び悩むと書かれている本は多いです。
私も子供の勉強に対する姿勢は大切だと思っています。
そこで気になっていた「中学受験自走モードにするために親ができること」を読んでみました。
少し前に、やっと読み終えたので感想を書きたいと思います。
育児本の中には子供の自主性を尊重することが大切と書かれているものが多いです。
ですがこの本を読んで、子供が自走モードに入るためには最初は親の手助けが必要だと改めて感じました。
こちらの本の中にも以下のような文があります。
子どもが、補助輪を外した自転車に乗る場面を思い浮かべてください。
引用:中学受験自走モードにするために親ができること
最初からスムーズに乗れた子は少なくて、多くは大人が支えて練習します。
何度かグラグラしながら練習したのち、ある日スーッと自分でペダルを踏み、漕ぎ出していく。
その時、大人は手を放します。
親が手を出すと子供が自ら学べなくなると言われる方もいますが、私はそうは思いません。
自ら中学受験を決めて盲目的に目標に向かい走り続けられる理想的な子もいますが、そういう子は本当にごく一部だと思います。
だから最初に学習習慣や基礎学力がつくまでは、親が支えて一緒に伴走することが大切だと感じます。
具体的な方法が書かれている
この本で良いと思ったのは、精神論ではなく具体的な方法が書かれているところです。
小学4年までと小学5年以降で自走モードを目指す戦略が分けて書かれているところも良いと思います。
また巻末にはおすすめの書籍なども紹介されています。
子供を自走モードにする方法以外にも中学受験のことが詳しく書かれていて、とても勉強になります。
小学校2年生までは宿題だけでOKは危険
全体的に見ると、とてもおすすめの本ですが個人的に疑問に思う点もありました。
本の第2章の中の「幼児~小2は〇〇だけでOK。やりすぎ早期教育に注意」では以下のような文が書かれています。
小学校1、2年生までに「学校から帰ったら自分で宿題を済ませる」の習慣だけはつけるようにしてください。
引用:中学受験自走モードにするために親ができること
この習慣づけだけでも十分ですし、よりラクに進めるためには、早くから声がけをしておくと良いです。
この見出しと本文を見る限り、幼児期から小学2年生までの間は子供が自分で宿題を終わらるだけでOKとおっしゃっているように受け取れます。
ただ入塾前に小学6年生までの計算や漢字を終わらせておくことが、中学受験で勝つためのセオリーだと言われる方もいます。
大手塾の先生は上のクラスの生徒で計算の遅い子は1人もいないとおっしゃっていました。
さらに計算力を身につけるためには、時間がかかるともおっしゃってました。
この本の中でも、自走モードの条件のひとつとして「2桁、小数計算ができる(小3までに公文Fレベルが目安)」があげられています。
小学2年生まで学校の宿題以外の勉強をせず、小学3年生の1年間で小学6年生までの計算を先取し、さらに計算速度も上げるというのは普通の子には難易度が高いです。
また「中学受験と体力」でも書きましたが学習面の体力はそんなにすぐにはつきません。
小学2年生まで学校の宿題以外の勉強をしてこなかった子が、小学3年生になったからといって急に宿題プラス1時間以上の勉強をするのは、かなり難しいと思います。
大手進学塾に通わせる予定で上位クラスに入れたいと思うのなら、ある程度は入塾対策をする時間も必要になります。
この本を読んで「小学2年生までは宿題を自分でやらせておけばOK」と思ってしまうと、普通の子の場合は、後で時間が足りなくなって苦労すると思います。
ただ全体的には、とてもためになる本で本当におすすめです。
まだまだ取り上げたい内容もたくさんあるので、追々書きたいと思います。