公立中学と私立中学
中学受験に反対する人の中には「私立中学に行くと多様性を知ることができない」「多様性を認められない人間に育つ」という人もいますが、私はそうは思いません。
また公立中学に行けば、必ず多様性を知り多様性を認める力が育つとも思いません。
多様性を知り認めるということは、自分とは違う立場や考え方を持つ人の存在を知り相手の立場になって考えられるということだと思います。
例えば公立中学に貧しい家庭の子がいたとしても、その子が貧困を理由に仲間外れにされている場合、周りの子に多様性を認める力が育っているとは言えないと思います。
多様性を知り認めることは、とても大切だと思います。
ただそれは私立中学に行くと育たない力でもなければ、公立中学に行けば自然と育つ力でもないと思います。
都会は公立でも似た家庭が集まりやすい
地方の公立中学のことはよく知りませんが、都会は住む場所により似た環境の家庭が集まりやすいと思います。
地価が高い地域や安い地域、教育熱心な家庭が多く集まる地域など、住む地域によってある程度の特色があります。
だから公立でも親の所得や、教育にどの程度力を入れているかなどの特徴は似通ってくると思います。
都会の場合は公立に通わせて子供に多様性を学ばせようと思っても、周りは似た環境で育った子供ばかりということもあります。
また都会の中心部では生徒数が少ない学校もあります。
そういった学校の場合、私立中学に通ったほうが様々な地域から通う多くの子供達と知り合えることになります。
さらに中学受験率の高い学区だと、勉強に興味のある子供や教育に力を入れている家庭の子供の多くが私立中学に進学するため抜けてしまいます。
そうなると残った生徒達だけで構成される公立中学校の環境は、多様性がある環境とは言えないのではないでしょうか。
多様性を知る上で公立が良いか私立が良いかは、子供が置かれている環境によって大きく変わると感じます。
私立の多様性
中学受験に反対する方が「多様性を知る」という言葉を出される時は、自分より恵まれない立場の人のことを知るという意味で使われていることが多いと感じます。
ですが公立小学校で常に勉強でトップだった子が、私立中学に進学して自分よりすごい天才に出会うのだって多様性を知ることになると思います。
テレビでしか見たことのないような桁外れのお金持ちや有名人の子供と出会うのだって、自分とは違う家庭環境で育った友人から多様性を学ぶ機会となるでしょう。
また私立中学の中には、海外からの帰国生が多く通う学校もあります
帰国生の友人の話から海外の文化を知ることは、まさに多様性を知ることになります。
多様性を知るというのは、自分達より恵まれない家庭環境の人と出会うことだけではありません。
私立だから多様性を知ることができないなんて、ただの思い込みです。
私立中学に通っても多様性を知ることはできます。
ニュースや本から多様性を学ぶ
私は多様性を知るのは必ずしも実生活でなければならないとは思いません。
例えばLGBTの知り合いがいなくても、そういう人の存在を知ったり、それについて学んで相手の気持ちを想像することはできます。
日常生活の中で肌で感じて多様性を知ることも大切だと思いますが、ニュースや本などからでも多様性を学ぶことはできます。
最終的に一番大切なのは相手の立場になって考えることや、相手を思いやる気持ちだと思います。
そのような力が育っていけば、どんな環境でも多様性を認められる子に育つと思います。