家庭でもできる足し算の教え方
幼児に足し算を教える場合、公文に通われる方も多いと思います。
だけど中には色々な事情で公文には通えない方もいらっしゃると思います。
そんな方のために家庭でも親が幼児に足し算を教えられる方法を、順番に紹介したいと思います。
ここで紹介する足し算の教え方は、数の概念がまだきちんと備わっていない幼児向けの教え方です。
数の概念が既に育ってきている6~7歳ぐらいのお子さんには、もっと別の効率の良い教え方があると思います。
すでにお子さんが大きい場合は、年齢に合った教え方を探してみてください。
息子に足し算を教えたのは3歳
息子に足し算を少しづつ教えだしたのは3歳になってから数カ月たった頃だったと思います。
それまでも生活の中で簡単な数の数え方や、基本的な数の概念は少し教えていましたが、3歳頃から少しづつ足し算を教えて、徐々にペーパーに移行していきました。
この頃から息子の勉強は少しづつ始まりました。
今から書く方法は少し時間がかかりますが、3歳ぐらいの子でも無理なく少しずつ足し算を覚えられる方法だと思います。
数字を数える
まず足し算を教える前に、数字の順番を完璧に覚える必要があります。
最初は数唱から入って、徐々に数字を書く練習をします。
ここがきちんとできないまま先に進むと、後でつまづく可能性が高くなります。
最初は数唱しながら、数字を指さして数えていきます。
親が紙に数字を書いてもいいし、数字ポスターなどを利用しても良いと思います。
こちらはA4サイズで段階的ごとに、ポスターが分かれているので使いやすいと思います。
こちらはA4サイズで段階的ごとに、ポスターが分かれているので使いやすいと思います。
我が家は数字ポスターを部屋やお風呂に貼って息子と一緒に指差しながら読みました。
まずは50までを目標に数唱してみましょう。
難しい場合は30ぐらいまででも大丈夫です。
逆に楽しく取り組めているようなら、そのまま100ぐらいまで数えられるようになると良いと思います。
こちらは1枚にまとまった、すうじひょうです。
数字の順番が頭に入っているか確認
子供がある程度数字を覚えたら、理解度を確認してください。
1人で何も見ないで数唱できるか、数字の順番をきちんと覚えているかを確認してください。
息子は「くもんの磁石すうじ盤100」を使っていて、こちらで数字をきちんと並べられるかを確認していました。
この数字をバラバラにして、盤面に順番に並べていく遊びを息子はよくやっていました。
こちらはマグネットになっていて、置くとくっつくので、ずれにくくて便利です。
この数字盤は公文の教室の中でも、先生の指導でやっている子が多かったです。
手作りのカードなどでも良いので、数字をきちんと順番に並べられているかを確認してください。
数字の順番は、きちんと教えたほうが後々のためにも良いと思います。
数字を書く
数字を書く練習は、数唱や数地盤並べと並行して、少しづつやっていくと良いと思います。
市販のプリントを利用してもいいですし、ネット上にも無料プリントはたくさんあります。
息子は数字を書く前は、公文でズンズンのプリントをもらってやっていました。
「くもんのはじめてのおけいこ」は公文で使っていたズンズンと、とても似ていて、最初にえんぴつの練習をする運筆教材としては最適です。
こういった教材を使って、数字を書く前にえんぴつで線を引く練習をすると良いと思います。
無機質な数字の練習プリントよりも、子供も楽しく取り組みやすいと思います。
鉛筆で線を書く力がついたら、次は数字の練習に入ります。
くもん出版の「はじめてのすうじ」はカラフルで公文のプリントと似た内容になっているので、おすすめです。
運筆練習のページもあり、簡単な内容になっているので3歳前後の子には良いと思います。
くもん出版の「やさしいすうじ」は「はじめてのすうじ」よりも、少し難しいドリルになります。
「 はじめてのすうじ」が終わったあとに取り組んでもいいですし、4歳以上のお子さんで問題なくできそうなら、こちらのドリルから始めても良いかもしれません。
ただ数字のドリルやプリントは、子供が気に入ったものなら何でも良いと思います。
時間があるなら、子供と一緒に本屋で好きなドリルを選ぶのも、おすすめです。
ただ、その場合はお子さんの状況とドリルの難易度が合っているかは確認してください。
欲しいと言ったドリルでも、子供にとって内容が難しければ、子供は嫌がるようになります。
数字が一通り書けて数字盤を迷わず並べられているようになったら、白紙の紙に1から50までの数字が順番に書けるか試してみてください。
難しい場合は30ぐらいまででも良いと思います。
問題なくできているようなら、次はいよいよ足し算に入ります。
幼児におすすめの鉛筆とグリップ
3歳ぐらいの子は鉛筆を持つのも難しいので、うまく持てない場合は補助用のグリップを使うと良いと思います。
息子は公文の先生に勧められて、公文の三角鉛筆と補助グリップを使っていました。
これを使うと3歳の子供でも、えんぴつが持ちやすくなります。
また、最初は筆圧が弱いので濃いえんぴつを使ったほうが良いです。
息子が3歳の頃は、6Bの鉛筆を使っていました。
筆圧が弱い子供でも、軽い力で書けます。
また太めの三角鉛筆なので、小さな子供でも持ちやすいです。
ただ、このえんぴつは専用のえんぴつ削りが必要なので、えんぴつを買われる場合は、一緒に専用のえんぴつ削りを購入してください。
足し算を教える
数字が一通り書けて数字盤を迷わずに素早く並べられているようになったら、白紙の紙に1から50までの数字が順番に書けるか試してみてください。
難しい場合は30ぐらいまででも良いと思います。
それらが問題なくできているようなら、足し算を教えます。
児童期の子は数の概念が育っている子が多いので、概念から教えるのも有効だと思います。
ですが幼児はまだ数の概念が育っていない子が多いので、そこを理解させて足し算の計算をさせるのは、なかなか難しいと思います。
そのため1を足すということは、数が1つ大きくなる(先に進む)ということを、まず教えてください。
例えば「+1」は、これまで数唱していた数が、1つ先に進むことだよと教えると良いと思います。
ここからの足し算の方法はいくつかあるので順番に紹介しますが、その中からお子さんに合う方法を探してみてください。
私が紹介する方法以外でも、お子さんに合う方法があれば、それで良いと思います。
指で数えて足す
息子が使っていたのは、指で数える方法です。
一番わかりやすくてシンプルで、幼児にも教えやすいです。
まず子供に、親指を折ったら「1」、人差し指を折ったら「2」、中指を折ったら「3」と、指を折って数える方法を教えてください。
ちなみに息子はこの練習を足し算をする前から、数の概念を育てるためにやっていました。
指で数を数える方法で足し算を教える予定なら、数唱の時に一緒に練習しても良いかもしれません。
この方法は足されるほうの数字を最初に声に出して言い、指を折りながら数字を数えていく方法です。
「1+1」の場合は、まず「1」と声に出して言ってから、指をひとつ折って「2」と言います。
「+1」は指ひとつ分なので、答えは「2」となります。
「3+2」の場合、同様に「3」と声に出して言ってから、指をひとつ折って「4」と言い、次の指をもうひとつ折って「5」と言います。
目で自分が何本の指を折っているのかを確認しながら、足す数のところまで指を折り数を数えます。
この方法は最大10までしか使えないという欠点がありますが、それ以降の足し算は別の方法で教えれば良いと思います。
まずは1桁の足し算を完璧にすることを目標にして、この方法でやっていくのが、おすすめです。
数字盤や数字ポスターなどを見ながら足す
指をおって数える方法がうまく行かない場合は、数字盤や数字のポスターを使う方法もあります。
「1+1」の場合、まず「1」の数字を指さして、そこから「+1」と言いながら、次の数字である「2」の場所を指さします。
「3+2」の場合は最初に「3」の数字を指さして、そこから「+1」と言って次の「4」を指さし、さらに「+2」と言って「4」の次の「5」を指さします。
この方法は目に見えるので、とてもわかりやすいです。
ただ毎回数字版やポスターを確認することになり、その分時間がかかると思います。
鉛筆で音をならして足す
えんぴつの削っていないほうで机をトントンと叩いて、足す方法もあります。
「1+1」の場合、まず「1」と言ってから、机を叩くタイミングで「2」と次の数字を言います。
「3+2」なら、同様に「3」と言ってから、机を叩くタイミングで「4」と言い、もう一度机を叩くタイミングで「5」と言います。
ただ、この方法は目では確認できないので、足す数が大きくなってくると、何回机を叩いたのかわからなくなるというデメリットがあります。
そのため個人的には、あまりおすすめしませんが、この方法が合う子もいるようです。
足し算九九を利用する
足し算を九九のように、暗記してしまうという方法もあります。
この方法の場合は、数唱や数字盤を並べられなくても足し算ができるようになります。
ただ、それでも数唱や数の並びは覚えておいたほうが良いと思います。
くもんからも「おふろでレッスンたしざんのひょう」が売られているので、九九のようにお風呂などで暗唱して覚えるのも良いと思います。
七田式からは「七田式 学習ソング 歌って覚えるたしざん九九 CD」が発売されているので、歌って楽しく覚えるのも良いと思います。
これらをうまく利用して、九九のように足し算を覚えてしまうのも、ひとつの方法だと思います。
足し算は順番にやる
まず最初は同じ数を足すことを、繰り返しやるのが良いと思います。
最初から色々な数の足し算を混ぜてやらせると、幼い子供は混乱します。
とりあえず最初は、一番簡単な「1+1」「2+1」「3+1」というように、「+1」だけを集中してやらせます。
「+1」が問題なくできるようになったら、次は「+2」を集中してやらすといった具合に、子供にわかりやすいように少しづつ取り組むことが大切です。
ちなみに公文のプリントも最初は「+1」ばかりをやり、次に「+2」ばかりをやっていたと思います。
くもん出版の「はじめてのたしざん」は公文の教室で使うプリントと、とても似ています。
プリントの上に数字も書いてあるので、このドリルなら数字盤やポスターがなくても目で見て確認できます。
やり方のこつをつかんで、問題なく解答できるようになったら、徐々に大きい数の足し算に挑戦していきます。
そうやって「+9」まで終わったところで、色々な足し算が混ざったプリントに挑戦すると良いと思います。
ちなみに、幼児は前にやったことを他のことをやっている間に忘れてしまうことも多いです。
だから「+2」に取り組んでいる時は、「+1」の復習を、「+3」に取り組んでいる時は「+1」「+2」の復習を、少しだけでもやっておいたほうが良いと思います。
新しいことに挑戦しつつ、少しだけ前の復習を取り入れていくほうが、子供の記憶にも定着しやすいと思います。
数の概念を育てたいのなら別教材を
このようなやり方だと数の概念が育たないと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ息子は幼い頃からこのやり方で足し算を習得しましたが、数の概念はきちんと育っています。
さくらんぼ計算なども、問題なくできます。
ちなみに息子は、幼児期には七田式のプリントを毎朝やっていました。
こちらのプリントの中には、数の概念を育てるような問題もたくさん出てきます。
不安な方はこういった幼児向けのプリントを併用したり、日常生活の中で数を一緒に数を数えたりして数の概念を育てていけば良いと思います。
早くからこういったやり方で足し算を覚えても、他の教材を利用したり、生活の中で親が補っていけば、数の概念はきちんと育ちます。
足し算は暗記でも問題ない
私は1桁の足し算は暗記でも問題ないと思っています。
むしろ計算能力をあげるためには、1桁の足し算は暗記してるぐらいの速度で解く必要があります。
たぶん息子も1桁の足し算は暗記していると思います。
なぜなら暗記していないと解けないような速度で、スマイルゼミの1年生の計算問題を解いているからです。
もし中学受験を考えているなら計算力は必要です。
大手進学塾の先生も「上のクラスの子で計算が遅い子は1人もいない」とおっしゃっていました。
また「計算力をつけるには時間がかかる」ともおっしゃっていました。
計算は毎日の積み重ねや努力が大切になってくるので、早めに練習していくほうが私は良いと思います。
家庭でも足し算は教えることができますが、公文などにお任せするのも良いと思います。
是非お子さんに合った方法を見つけてあげてください。