研究
色々な教育論を見ていると、世の中には最初の研究とはかけ離れた話になっていると感じるものもあります。
その中の最たるものだと感じるのが「非認知能力の真実」にも書いた、非認知能力を鍛える教育です。
何度か書いてますが、この元となっているのはペリー就学前プロジェクトという実験で、幼児期に教育を受けた子供達の非認知能力が高くなったという話です。
それなのに、なぜか日本では子供を自由にのびのび育てて非認知能力を高めようという話にすり替わっていたりします。
育児関連の話はこのように、元の実験や研究から大きくゆがめられた話が広がっていることも多い気がしています。
ヘリコプターペアレント
最近、ヘリコプターペアレントについても、気になったので少し調べてみましたが、やはりこれも元の話とはかなり違ってきていると感じます。
日本では、幼い子供対する親の対応についても、ヘリコプターペアレントという言葉を使う人はわりと多いと感じます。
だけどヘリコプターペアレントという言葉は、10代の子供が「母は僕の上をヘリコプターのようにホバリングして…」と不満を訴えた話が元となっています。
そして、さらに問題視されているのは、成人した子供にまで干渉し続ける親です。
「ボーク重子さん」でも書きましたが、例えばボーク重子さんは12歳まではお子さんを過保護に育てられていました。
だけど12歳という適切な時期に手を離されて、その後はできるだけ子供を見守るようにされています。
その結果、娘さんは全米最優秀女子高生に選ばれました。
逆に幼児や低学年から手を離されている家庭のお子さんは、あまり良い結果になっていないことが多いと感じています。
「意図的養育と放任的養育」でも書きましたが、放任されて育った子供達は学歴達成という観点では、良い結果を得られていません。
放任主義
日本の子育ては放任主義を良しとする傾向が強いです。
そして、なぜか子供が小さい頃ほど、親が干渉するのは良くないと思う人が多いと感じます。
だけど中高生の子供が、スシロー事件のように悪ふざけをすると、今度は親の育て方が悪いとか、躾がなっていないと言われます。
日本には、小さい頃はのびのびと自由に過ごさせたほうが、大きくなったら優秀に育ついう理想を抱かれている方も多いと思います。
そして、子供が大きくなって、どうしようもなくなってから、無理矢理子供を変えようとする方も少なくないと感じています。
だから日本では海外ではあまり見られないような、大きくなってからの反抗期がくる子供が多いのではないでしょうか。
幼児期に手を離すのは危険
ヘリコプターペアレントを恐れすぎて、幼児期から手を離してしまうのは、とても危険だと私は思います。
「アメリカは日本よりも厳しい親が多い」でも書いたように、実は幼児期の教育は海外のほうが厳しかったりします。
子供が幼いうちは、無理に手を離す必要はないと思います。
過保護や過干渉は批判されやすいですが、親の干渉は行き過ぎなければ子供が良い方向に伸びることもあると思います。
先程も書きましたが、意図的養育で育った子のほうが放任的養育で育った子よりも、学歴が高くなる傾向があります。
ボーク重子さんや佐藤ママの例を見ていても、やはりある程度の干渉は必要だと感じます。
大切なのは幼い頃から干渉しないことでなく、適切な時期に手を離すことだと思います。
ただ、言うのは簡単ですが、実際にうまく手を離すのは難しいだろうなと感じています。
私もこの先、息子の手をうまく離す自信はないです。
だけど、とにかく私の手を離れていく前に、できるだけ多くのことを息子に教えて、良い習慣を身につけさせられるように努力したいと思います。