自主性
最近の子育て論は、子供の自主性や主体性に重きをおいているものが多いと感じます。
読書にしても、いかに自然に子供に自ら本を読ませるかということが、わりと重要視されていると思います。
一般的に子供に本を読ませるために良いとされる方法は、毎日読み聞かせをするとか、リビングに本棚をおくとか、親が本を読んでいる姿を見せるといった方法です。
だけど、このような方法で育てても、本を読まない子に育っている例は、それなりに多いと感じています。
資質の差
基本的に子供の自主性に任せる教育になるほど、子供の資質による差で結果が大きく変わると思います。
逆に、強制に近い方法になればなるほど、子供の資質とは関係なく、同じ結果になりやすいのではないでしょうか。
子供の自主性を重視する方法でうまくいく場合は、そのほうが良いと思います。
だけど、赤ちゃんの頃から読み聞かせをして、リビングに本棚を置いて、親が本を読む姿を見せても本を読まない子の場合、別のアプローチを考えたほうが良いのかもしれません。
強制力
子供の主体性を重視した取り組みをしても子どもが本を読まない時は、ある程度の強制力が必要だと思います。
まず、子供の自主性は一旦置いておき、とりあえず強制的に、本を読む以外にやることがない時間を作ると良いと思います。
「読書習慣の身につけ方」でも書いてますが、息子が1人で字を読めるようになってからは、我が家はどこに行くにも絵本を持ち歩いていました。
1人で本を読めるようになった時点で、それまで持ち歩いていたシールブックなどは持ち歩くのをやめて、毎回絵本のみを持参していました。
だから、飲食店でも電車でも病院でも、基本的に待ち時間は、絵本を読むしかやることがありません。
そうやって半強制的に絵本を読む時間を作ることで、空き時間に本を読むという習慣が作りやすいと思います。
ちなみに待ち時間にスマホを見せるのはNGです。
スマホと絵本なら大半の子はスマホを選びます。
スマホという選択肢があると、子供は本を読むのを嫌がる可能性が高くなります。
本嫌いの子
息子は最初から半強制的に読書の習慣を作っていったので、本を嫌うことはありませんでしたが、with classの「読書嫌いの弟が、ハマれる本に出逢うまで…家族でやった様々な工夫とは?」という記事には、本嫌いのお子さんが本を読むようになった方法が紹介されています。
その記事に掲載されていた方法を見てみると、何もすることのない退屈な時間や、飽きても逃げることのできないお風呂の時間に本を読ませていたそうです。
そのお子さんは家族で試行錯誤を開始してから、1年ほどで、自分から本を読む時間が増えたそうです。
他にも本棚の位置を工夫されたり、家族が色々な本を読んであげるなどの工夫もされていました。
ただ個人的に影響が大きかったと思うのは、動画視聴をやめて、強制的に本を読む時間を作ったことだったのではないかと考えています。
この子は本が嫌いな子だからと諦めてしまうのではなく、少し強制的にでも家族が本を読む時間を作る努力をしたことで、お子さんは徐々に本に興味を持つようになったのではないでしょうか。
読書習慣
さきほど紹介した記事については、SNS上に批判的な意見もありました。
だけど、本嫌いでYouTubeばかりを見ている子供を放っておくのは、子供のためにもならないと思います。
たしかに親が環境さえ与えれば自主的に本を読むようになる子もいますが、ある程度強制しないと、本を読まないままの子もいます。
就学後は嫌でも読書しなければいけない機会が増えますし、音読の宿題が出る学校も多いと思います。
また読書習慣のある子は、国語の授業にもついていきやすいのではないでしょうか。
学校の勉強や宿題が嫌で不登校になる子がいることを考えれば、早めに子供が学校に行きたくないと思う要素を減らしてあげることは、大切なことだと思います。
後々の子供の生活のことを考えれば、多少強引であっても、幼児期に読書の習慣をつけてあげたほうが私は良いと思います。
それに本を読むことが楽しいと思えるようになれば、その分、子供の世界も広がると思います。
近年の日本の子育て論を見ていると、子供の自主性に重きを置かれることが多いですが、学習習慣と読書習慣だけは親主体でつけてあげることをおすすめします。