最新の育児論
育児論を語られる方の中には、祖父母世代の古い価値観の育児論を批判する際に、「最新の育児論では〇〇だ」と、新しい育児論を持ち出される方もいます。
だけど、その最新の育児論の中には、根拠となる数値もなく、専門家と言われる人達が色眼鏡で子供達を見ただけの感想のようなものもあります。
「育児神話」でも書いたように、過去に正しいとされていた育児の常識が後で覆されることは、これまでもありました。
ということは、現在正しいと言われている最新の育児論が、数十年後には否定される可能性も十分にあるということです。
データ
育児論や教育論を見る上で大切なのは、ある程度の規模のデータがあることと、それに基づいた理論であることだと思います。
育児関連の記事は数値やデータではなく、こうしたほうが良さそうだというイメージだけで語られるものが多い気がしています。
そういった話は、偉い先生が小数のサンプルを抽出して、それがまるで全員に通用する方法かのように語られていることが多いと感じます。
例えば子供が幼い頃は勉強なんてさせずに、のびのび遊ばせたほうが、将来的にかしこくなると言う方はいまだに多いです。
だけど、「幼い頃に母親と勉強すると学力が伸びる」でも書いたように、イギリスの調査では幼い頃に母親と一緒に勉強した子のほうが認知能力が高く、その母親の時間投資が、その後も子供の学力が伸びる助けになるというデータがあります。
また「意図的養育と放任的養育」で書いたように、放任主義の家庭よりも、親が適度に干渉している家庭のほうが、学歴面ではよ良い結果となっています。
このように育児論の中には、データで見てみると、偉い先生達が推奨される育児方法とは、真逆の結果になっているものもあると感じます。
将来変わる可能性
今後、新たなデータが出てくることにより、これまで偉い先生達の主観で語られていた育児論が否定される可能性も十分にあるのではないかと、私は考えています。
ですが、新たなデータが出てきても、新しい育児論がきちんと確立されるまでには数十年単位で時間がかかるかもしれません。
だから、偉い先生の意見にただ従うのではなく、親として子供に合う良い教育方法を自ら考えていくことも必要だと思います。
とりあえず、今ある最新の育児論も将来的に変わる可能性があるということは、頭のどこかに置いておいた方が良さそうです。