時代の変化
世の中には育児神話と言われているものがあります。
昔は常識として認識されてきた育児法が、時代の変化や新たな発見を機に変わっていきます。
ただ、現在、育児神話と言われるものの全てが間違っていたとは私には思えません。
少なからずメリットもあったからこそ、そういった話が広まったのではないでしょうか。
最終的にメリットよりもデメリットが大きいと判断されたため、育児神話になってしまいましたが、育児神話の中には子育ての真実も少なからずあったと感じています。
三歳児神話
育児神話の代表的な存在と言えるのは三歳児神話です。
ただ、個人的にこの神話は本当に神話で片づけてしまって良いのか疑問を感じています。
乳幼児期に愛着形成がきちんとできていないと、子供が大きくなってから問題が出るという話は有名です。
また過去にはカナダのケベック州で全員保育プログラムが行われた結果、その地域の子供は、他の地域の子供より非認知能力が低くなったという事例もあります。
三歳児神話が間違っていたのは、愛着関係を築くのが母親でなければならないという点だと思います。
だから母親に限定する必要はないけれど、乳幼児期にきちんと愛着関係を築ける大人が側にいることは大切だと思います。
それなら愛着関係を築くのは保育士でも良いと考える方もいますが、保育園や保育士によって、保育の質にはどうしても偏りが出てきます。
保育士の虐待事件も何度かニュースになっていますし、保育園という閉鎖空間の中は、保護者からは見えにくいと感じます。
そう考えると、母親や父親が自分で育てたほうが、子供との愛着関係は築ける確率は高くなるのではないでしょうか。
母乳神話
母乳神話も有名ですが、これも全てが間違っているとは感じません。
過去にベラルーシで行われた研究によると、母乳育児の研修を受けた病院では完全母乳育児や混合育児の母親が大幅に増えたそうです。
そして生後1年間の乳児の健康状態を調べると、研修を受けた病院の子供は感染性胃腸炎とアトピー性湿疹にかかる割合が減りました。
他にも母乳育児は乳幼児突然死症候群の発生率を低下させるという研究結果や、母親の心的ストレスを軽減するといった研究結果もあるそうです。
ただ、極端に母乳にこだわった結果、母親の心身が病んでしまっては本末転倒だと思います。
母乳にこだわって母親が精神的に追い詰められるぐらいなら、ミルクで育てたほうが、子供は心身共に健康に育つと思います。
それこそが母乳神話と言われる理由ではないでしょうか。
だから、極端にこだわる必要はないけれど、可能なら母乳で育てたほうが良いというのが良いという見解は、現代でも変わっていないと思います。
育児神話の根拠
このように三歳児神話にしても、母乳神話にしても、全く根拠がない話というわけではありません。
どちらも極端にこだわる必要はありませんが、一概に古い価値観だと切り捨ててしまうのも良くないと感じます。
育児に関する情報は何でも鵜呑みにするのではなく、根拠となった研究や統計を調べて、親が本質を理解しようとすることが大切だと思います。
育児の常識は変化し続けています。
つまり今私達が常識だと感じている最新の育児方も、何十年かたてば誤りだったと否定される可能性も十分にあるのです。
特に近年急激に普及したスマホやタブレットを使った育児については、研究結果が出るのは、まだまだ先になると思います。
だからこそ親が子供にとって本当に良いと思う育児法を、しっかりと考えていくことが大切だと感じています。