コミュニケーション能力
たまに早くから保育園に入れたほうが、子供のコミュニケーション能力が高くなるという方がいます。
だけど周りを見ていていると、そうは感じません。
むしろ幼稚園出身の子のほうが、友達とうまくコミュニケーションがとれている子が多い気すらしています。
幼稚園の保育参観
幼稚園のはじめての保育参観の際に、幼稚園の先生から「3歳という年齢は、まだ1人で遊びに没頭する子も多い時期なので、友達と一緒に遊んでいなくても、今は気にしないでください」と言われました。
発達の段階としても、3歳頃から徐々に友達との関わりが増えていくそうです。
息子も年少のはじめの保育参観では1人で遊んでいることが多かったのですが、その後の保育参観では徐々に友達と協力して遊ぶようになりました。
個人的に3歳未満の子は、保育園で友達とコミュニケーションをとることよりも、親子でコミュニケーションをとり、愛着関係をしっかり築くことを優先したほうが良いと感じています。
実際に、それを裏付けるようなデータもあります。
全員保育プログラム
昔カナダのケベック州で全員保育プログラムが実施されたそうです。
その州の子供達の成長を追って他の州の子と比べてみたところ、両者の間で非認知能力に差が出たそうです。
ケベック州の0歳から4歳の子供は不安と攻撃性の高い子が他の州よりも多かったそうです。
また卒園後の5歳から9歳では、男の子は多動と攻撃性が高い子が多く、女の子は他人や社会のために行動する子が少ないという結果が出ました。
10代以降
10代になってからの認知能力には、ケベック州の子と他の州の子の間に差はありませんでした。
ですが非認知能力である主観的な健康レベルや生活に対する満足度はケベック州の子のほうが低いという差がでました。
そして犯罪率もケベック州の子のほうが高いという結果になりました。
柔軟性や対人コミュニケーションなどを含む非認知能力が低いと、罪を犯す可能性が高くなるという研究結果もあります。
先ほども書きましたがケベック州の子供は、5歳から9歳の時点で、男の子は攻撃性が高い子が多く、女の子は他人のために行動できない子が他の地域よりも多くなっています。
これらの結果を見ると、早くから預けられた子供達のほうが、コミュニケーション能力も低くなっていると考えられるのではないでしょうか。
イメージだけで考えない
世の中には、どうしても早くから子供を預けなければいけない事情があり、預けている方もいると思います。
だけど特に早くから子供を預ける必要のない方が、早くから保育園に預けたほうがコミュニケーション能力が育つと考えて預けるのは、あまり良くないと感じます。
子育てはどうやっても前に戻ることはできません。
だから慎重に考えた上で、一番納得のいく選択をして欲しいと感じています。
安易に〇〇したほうが良くなりそうとイメージだけで考えて行動するのではなく、時には統計調査の結果なども調べて、自分なりに良く考えてみることも大切だと思います。