賛否が分かれるあだ名禁止
少し前にネットニュースの記事で読みましたが、あだ名や呼び捨てを禁止にして、さん付けするように指導する小学校が増えているそうです。
この取り組みに対しては大人の間でも賛否が分かれているようです。
私が見た記事では賛成と反対では反対のほうが多く、どちらでもないという意見が一番多くて過半数を超えていました。
ちなみに私はこの取り組みには賛成です。
中には「子供自身に判断させるべきだ」という意見や「円滑なコミュニケーションがとれない」などの意見もあります。
ですが大人でも相手の本当の気持ちなんて簡単には読み取れません。
ましてや幼い子供が友達の本当の気持ちを読み取り、相手が喜ぶようなあだ名をつけるのは難しいと思います。
また、あだ名がなくなるぐらいで円滑なコミュニケーションがとれなくなるとは思えません。
息子は特別なあだ名で呼ばれたことはありませんが、幼稚園や小学校で友達とは普通にコミュニケーションがとれています。
学校内で禁止しても、仲の良い友達同士では学校以外でお互いあだ名で呼び合うこともあると思います。
ただ特に仲良くもないクラスメイトから一方的にあだ名をつけられて傷つく子が一定数いるのなら、私は学校内でのあだ名は禁止しても良いと思います。
成功体験は危険
例えばクラスメイトを面白いあだ名で呼んだことで、クラス中が笑いに包まれたとします。
こういった体験は子供にとっての成功体験になってしまうこともあります。
そして子供はもっと面白いあだ名を考えたいと思うようになり、笑いをとることを優先してしまいます。
その結果、相手に対する思いやりの部分がどんんどん疎かになっていきます。
中にはクラスメイトに変なあだ名をつけてみんなで笑うことを面白いと感じてしまう子もいます。
私は、人が嫌がることや傷つけることをして楽しかったという体験を子供にさせないことが重要だと思っています。
そういったことが楽しいという感覚を身につけてしまうと、後々まで引きずり将来的にいじめにつながる可能性が高くなります。
いじめやあだ名問題では被害者側がクローズアップされがちですが、加害者の子供達にとっても、それは決して良いことではないのです。
相手を尊重して不快な思いをさせない
私は育児や教育は常に積み重ねだと思っています。
あだ名が絶対的に悪いとは思いませんし、中にはあだ名で呼ぶことで親近感がわくこともあるかもしれません。
ただ基礎ができていない時点で難しいことを子供に求めると、誤った方向に進んでしまうこともあります。
わかりやすくて呼びやすくて本人もクラスメイトも気に入るあだ名を考えるのは、大人が思うほど簡単なことではありません。
仲良しの友達ならまだしも、ただのクラスメイトなら尚更相手の気持ちを汲み取るのは大変です。
私は親しみや親近感よりも、まずは相手を敬う気持ちや礼儀を教えるほうが先だと思います。
相手を敬い思いやる気持ちが育つ前に不用意にあだ名を使用すれば、人を傷つけてしまう可能性が高くなります。
物事には順序があります。
あだ名よりも先に相手を尊重して不快な思いをさせないということを学ぶほうが大切だと思います。
さん付けで呼ぶことの意味や大切さを、道徳の授業などで教えていけると良いと思います。
かわいいあだ名でも嫌な子はいる
私自身も小学校時代にあだ名で呼ばれていたことがあります。
最初にあだ名で呼びだしたのは特に仲良くもなかったクラスメイトの男の子です。
悪意のある呼び方ではなく名前からもじった愛称で、かわいいと感じる人のほうが多そうなあだ名でした。
ちなみに、いじめ的な要素は一切ありませんでした。
だけど私はその呼び方が嫌いで、嫌だということもクラスメイトに伝えていました。
それでも「かわいいのになんで嫌がるの」とクラスメイトから言われて、数カ月はそのあだ名で呼ばれていたと思います。
本当に仲良しでプライベートでも遊ぶ友達とは、お互い自分達の決めた呼び方で呼び合っていました。
その呼び方が徐々にクラスに浸透して嫌なあだ名で呼ばれることはなくなりました。
もし付けられたあだ名が嫌だというお子さんがいるなら、仲良しの友達同士で別のあだ名や名称で呼び合うことで、そちらを浸透させるという方法もあります。
かわいいあだ名だからといって全員が喜ぶとは限りません。
特に仲良くもない他人が勝手にあだ名を決めるのは、個人的にあまり良いことだとは思えないです。
大人の世界でも変に馴れ馴れしすぎる人は嫌われることもあります。
子供にはあだ名をつけることよりも、人に対する思いやりや適切な距離感を保つことを学ばせるほうが私は良いと思います。