幼児的万能感
最近、よく感じるのが幼児的万能感は親にもあるということです。
幼児期は、ほとんどの子が万能感を持っています。
幼い子は電車の運転手どころか、自分が電車になることもできると思っていたりします。
アニメや戦隊モノの主人公に将来なれると思っている子もいます。
幼児の夢はどこまで広がります。
そして、親も子供が小さい頃は、スポーツ選手でも芸能人でも医者でも何にでもなれると思っている人が多いと感じます。
ただ、幼い頃はそれでも良いかもしれませんが、幼児的万能感が後々まで残ると悪い影響があることもあります。
夢を追う
以前「有名付属大学に進学せず夢を追う」でも書きましたが、知り合いのお子さんは有名大学の付属校に高校まで通っていましたが、大学には進学せず夢を追って専門学校に進学しました。
しかし夢はかなわず、結婚の条件をクリアするために、とりあえず何でもいいからと、専門学校卒でも正社員でやとってもらえる仕事につきました。
その結果、給料も安く、仕事のやりがいもないようでした。
もし有名大学を卒業し就職していれば、もっとやりがいのある仕事につけたり、年収が高くなり、会社に対する満足度も、今よりは高かったのではないでしょうか。
高校時代に、分不相応な夢を見なければ、彼は普通だけど今よりもっと幸せな人生を歩めていたかもしれません。
だけど、幼児的万能感の強い人間は、自分が成功する未来しか見えなくなってしまがちです。
親の幼児的万能感
私は親にも幼児的万能感は存在すると思っています。
子供が乳幼児の頃は、自分の子供を天才だと思う親も多いのではないでしょうか。
私も天才とまではいきませんが、息子が3歳になる前に、99ピースのパズルを1人完成させる姿を見た時は、普通よりは優秀なのかもしれないと思ったこともありました。
だけど、今では中学受験生の中では、普通より少し地頭が良くないほうなのではないかと思っています。
ただ、後々まで高すぎる期待を持ち続けるよりも、先取学習をすることで、早めに現実を知れたのは、かえって良かったと思っています。
中学受験
中学受験で親子喧嘩が絶えないような家庭は、親の子供に対する幼児的万能感が高すぎる家庭が多いと感じています。
例えば親が、我が子は天才だから、たくさん体験させて好奇心さえ育てておけば、大きくなれば自から勉強して、優秀な成績を収めると思ってしまっているようなケースです。
こういったケースの場合、子供の能力を過信するので、先取学習や学習習慣づけが、おざなりになりがちです。
元気に外で、泥んこになって遊んでさえいれば、子供は自然と学んで、優秀に育つと勘違いされている方は多いです。
だけど、普通の子の場合は、大きくなるにつれて、自分は他の子よりできないことがあると感じるようになり、幼児的万能感は消えていきます。
それが小学校に入学してすぐだと、勉強に対する自信をなくして勉強にネガティブなイメージを持ってしまう子も多いです。
それと同時に、幼児期や低学年までは我が子は天才だと思っていた親の中からも、周りの優秀な子を見て、幼児的万能感は消えていきます。
そこで親が諦められればいいのですが、本物の天才や、幼児期からこつこつやってきた子と同じレベルを子供に無理に求めると、親子喧嘩になりやすいと思います。
特に子供の成績の分かれ目になりやすい5年生ぐらいで、幼児的万能感を引きづってる親は「なぜ、うちの子はできないんだ」と思ってしまいがちです。
子供の能力はそれぞれ違うし、勉強は積み重ねなので、早くから積み重ねたほうが当然有利です。
もちろん、地頭の差があるので、順番どおりにはいきませんが、それでも同じぐらいの能力の子なら、早くから積み上げた子のほうが有利でしょう。
だから、子供を責める前に、子供の能力を過信しすぎたことを親も反省すべきではないかと思います。
子供の可能性は無限大だと良く言われますが、やはり限界はあります。
我が子が天才でなかった時のことも考えて、私は幼児期から、勉強も躾も、こつこつやることをおすすめします。