体験と学習
このブログにも何度も書いていますが、私は体験と学習は分けて考えたほうが良いと思っています。
確かに過去の体験が、将来の学習に役立つ可能性もゼロではありません。
特に小学校受験では、そういった側面がかなり大きく、合格するために様々な体験を子供にさせようとする親御さんもいます。
それが心の底から親子の楽しい体験になっているのであれば、何の問題もないと思います。
ただ、親が「あんなに頑張ったのに無駄だった」という負の感情を抱いてしまうと、それは親子共に悲しい思い出になってしまうのではないでしょうか。
だからこそ直接的な関連性が小学校受験よりもさらに低い中学受験では、体験と学習は分けて考えてほしいと思っています。
小学校受験
以前、ある親御さんが、お子さんの受験に対して、大きなストレスを抱えてらっしゃるのをネットで見かけました。
その方のお子さんは今年小学校受験をされる予定で、親御さんは、1年以上前からお子さんの好きをずっと全力でサポートされていました。
お子さんの興味のあるものを一緒に全力で深堀りされていて、とても素敵な親子の取り組みに、いつも感心していました。
だけど、少し前にお子さんの興味が他のものに移ってしまったようです。
複雑な気持ち
受験のために子供の好きを深堀りして、その内容で願書を書いたり、面接の受け答えを考えていた矢先に、子供の興味が別のものに変わってしまうのは本当に辛いと思います。
さらに新しく興味を持ったものが、小学校受験に向かないものであれば、尚更大変です。
だけど、子供の興味や関心が変わることに対して、がっかりする親御さんの姿を見ていると、とても複雑な気持ちになりました。
あくまで他人事だから言えるというのもありますが、本当にこれまでの親子での取り組みが素晴らしいと感じていただけに、少し残念に感じてしまいました。
辛く険しい道
私はたいした家柄でもないですし、小学校受験は中学受験と比べて不透明な部分も多く、親の能力にも不安があったので、中学受験を選択しました。
だけど小学校受験には、どこかで憧れるような気持ちがありました。
季節ごとの体験を子供と一緒にしたり、工作したり、折り紙を折ったり、絵を描いたり、そんな素敵な受験勉強に惹かれる気持ちはありました。
もちろん、きれいごとだけではなく、ペーパーや運動や面接の練習など、大変なことも色々あると思っていました。
だけど、子供の興味が移り変わる事に対して、ここまで苦しい気持ちになる親御さんを見ていると、私が思っていた何十倍も、小学校受験とは辛く険しい道だったのだと気づきました。
そして中学受験の場合、体験と受験は絶対に分けて考えたほうが良いと、改めて思いました。
私も息子と色々な場所を訪れ様々な体験をしていますが、それが中学受験にいかされるというような期待はしないように、心に刻んでおこうと思います。