失速
少し前に、ネットで、解法覚えて塾の中の上のクラスにいる子は6年でそれが通用しなくなって失速すると書かれているのを見かけました。
これと同じようなことが書かれた有名家庭教師の先生の本を読んだことがあります。
だけど、私はその本を読んでも、やはり解法を暗記することが悪いことだとは思えませんでした。
解法丸暗記
その本に登場する女の子は解法を丸暗記していて、6年生で偏差値が下がってしまったそうです。
だけど有名な家庭教師の先生が教えても、解法を丸暗記することしかできなかったということは、それがその子の限界だったのではないでしょうか。
その子の偏差値は5年後半まで60近くあったそうですが、最終的には50台前半に落ち着いたそうです。
だけど60台近くということは50台後半ということであり、最終的に50台前半に落ち着いたのなら、偏差値の差はそれほど大きくないのではないでしょうか?
もし仮に偏差値58と54だとしたら、偏差値の差は5もありません。
中学受験の偏差値は高校受験に比べると低く出るので、偏差値50台前半といっても、十分に健闘した結果ではないでしょうか。
その子は最難関を目指していたそうですが、目指せば誰でも最難関に届くわけではありません。
解法丸暗記しかできない能力の子が、自分にできる方法で努力して、実力相応の学校の合格を勝ち取ったなら、それで良いのではないでしょうか。
公式の意味
息子がどこまで理解できているかわかりませんが、公式の意味については、できるだけわかりやすく説明するようにしています。
そして公式を覚えて使いこなせるようになるまでは、毎回、同じ説明を繰り返ししています。
だけど、それで本質を理解できるかどうかは、子供によって差があると思います。
親は子供に公式や解法の意味を教えることはできても、子供の地頭を良くすることはできません。
だから、その子に合う方法が公式や解法の丸暗記しかないのであえれば、その方法で行ける学校を目指せば良いと思います。
典型題
今年、開成と灘に合格された方が、以前、お子さんが問題を解く様子を見て、思考力を使うには試験時間がどう考えても短すぎるとおっしゃっていました。
またサピックスの首都圏入試の分析会動画でも、近年の中学受験の算数の問題は大半が典型題だとおっしゃっていたと思います。
ただ難関校の問題は、典型題とは言っても、複数の特珠算を使用しなければならなかったり、少しひねられた問題が出題されるケースが多いようです。
つまり近年の中学受験は、ある程度、解法を暗記した上で、さらなる思考力が必要になってくるのだと思います。
私は先に解法をパターンを暗記して演習しても、後で理解力が追い付いてくれば、本質を理解できるようになると考えています。
ですが、残念ながら最後まで理解が追い付かない子もいるのだと思います。
そういう子に対して、いつまでも思考力ばかりを重視した勉強させていると、解法の暗記すら間に合わなくなることもあるのではないでしょうか。
理解力に乏しく、もの覚えの悪い子ほど、むしろ解法を早くに詰め込んで、パターン問題を完璧に解けるようにしておくことが大切な気がしています。
息子は優秀層ではなく、理解力も高くなく、覚えるのに時間がかかる子なので、最後まで解法丸暗記のまま受験する可能性もありますが、それでも解法は早めに覚えさせておきたいと思います。
一番怖いのはパターン問題の解法すら頭に入っておらず、算数の問題に全く太刀打ちできなくなることなので、それを避けるためにも早くから解法は覚えさせておきたいです。