優秀な人材
以前、あるブログを読んで、教育論を語る人達の視点について考えさせられました。
そのブログには、ある教育ママと意見が対立している科学者の方に対して、日本から優秀な人材を出すという視点を持たれていると書かれていました。
確かに、その科学者の方の教育論を見ていると、大勢の子供を伸ばす教育論ではなく、わずかな天才を生み出す教育論なのだと感じます。
天才でない子供
その方のおっしゃることも、わからなくはありません。
自由にのびのび育てたほうが、生まれつきの才能のある天才は、好きなことをつきつめて、世界で活躍するような人間になれるのかもしれません。
だけど実際に親として考えたいのは、天才ではない我が子を、どうやって少しでも伸ばすかなのではないでしょうか。
「意図的養育と放任的養育」でも書いたように、実際には親が適度に干渉している家庭のほうが、干渉しない放任主義の家庭よりも学歴は高くなる傾向があります。
天才は、親が干渉しないほうが伸びるのかもしれません。
でも、できない子の場合、親が干渉しなければ、落ちぶれて将来的に辛い生活を送る可能性もあります。
さらに、生活の辛さが社会への不満に転換された場合、無関係な他人を傷つける事件をおこす危険性だってあります。
私は息子に天才になって世界で活躍しなくても良いから、人並みに幸せで罪を犯さない人生を送って欲しいです。
干渉と放任
のびのびと親が干渉せずに育てれば、子供が優秀になるとか、幸せになれるという話をされる方は今でも多くいます。
だけど実際には放任主義で育てると学歴が低くなりやすいというのが研究結果として出ています。
そして学歴と収入は相関があり、収入と幸福度も一定まで相関があります。
さらにペリー就学前プロジェクトやアベセダリアンプロジェクトでは、幼児教育を受けた子のほうが、学歴や収入は高く、犯罪率は低いという結果も出ています。
子供に任せて大人が干渉せずに育てる教育は一か八かの賭けだと感じます。
だから自分の子供の将来を、ある程度現実的に考えている人達からすれば、そんな危ない賭けにはのれないのではないでしょうか。
それを学歴主義の愚かな親だと批判するのは、おかしなことに思えます。
私は御三家や東大や医者などに、あまり興味がありませんが、社会で活躍する人間や大成功する人間というのには、もっと興味がありません。
なぜなら後者は子供の資質や運や環境の影響のほうが大きいと感じますし、親の力で何とかできるものではないと感じるからです。
東大でなくていいし医者でなくていいし、社会で活躍しなくても、大きな成功を手にしなくても良いけど、息子には人並程度の幸せを感じて生きていって欲しいと思います。