親の責任
前に不登校になった原因を、お子さんに書かせて、ネット上で公開されている方を見かけたことがあります。
その文章には不登校の原因は、親が自分を否定したことだと書かれていました。
子供が書いた文章を読んで、親御さんはお子さんが不登校になったのは自分の責任だと後悔されていました。
だけど、本当にそれが原因だったのでしょうか。
親からの否定
親に否定された内容は書かれていませんでしたが、親は将来が心配で否定していたと書かれていました。
彼が否定されたと言ってるのは中学2年生の頃です。
彼の家庭がどうだったかはわかりませんが、この時期ぐらいから子供の高校受験を意識して子供に勉強するように言ったり、塾に通わせる家庭も増えるのではないでしょうか。
これまで自由に遊んでいた子が、急に親から勉強しろと言われたり、将来のことを真面目に考えろと言われれば、反発するのは当然です。
中学生ぐらいだと、まだ幼い子も多く、中には芸能人やYouTuberといった職業に憧れる子もいます。
それらを心から肯定して応援できる親は少ないと思います。
こういった反抗期の諍いがおこる家庭は多いと感じます。
不登校の原因
不登校のお子さんは、親が自分を否定したことが原因だと思い込んでるようでしたが、私は逆にそれまで親が自由にさせすぎたことが原因だったのではないかと考えています。
彼は自分でも小さい頃から母親っ子だったと書いていました。
あくまで個人の妄想ですが、彼は幼少期から親に何でも肯定されて、自由にのびのびと過ごしてきたのではないでしょうか。
日本には、小さい頃は子供にのびのび好きなことをさせて、大きくなったら自ら勉強するような後伸びする子に育てたいと思う人が多いと感じます。
中には、中学生になれば自然と自覚が出て、勝手に勉強するようになるといった甘い考えの人もいます。
だけど、そんなに簡単に切り替えられる子ばかりではないと思います。
小さい頃はサラリーマンや公務員が夢なんて子供らしくないと言われるのに、少し大きくなると現実を見て勉強することを求められます。
そういった矛盾に戸惑う子も多いのではないかと感じています。
母親のせい
彼は不登校を母親のせいにしていますが、母親との関係が改善していないにも関わらず、中学2年で不登校になった後、全日制高校に1年ほど通っています。
本当に親の否定が全ての原因であるのならば、その1年間も高校に通えていなかったのではないでしょうか。
結局、全てを母親のせいにして現実から逃げているようしか私には見えませんでした。
彼を見ていると不登校の子に好きなことをさせることが、本当に最善の策なのが疑問に思わずにいられません。
ちなみに、せっかく進学した通信制の大学も、思っていた内容と違うといった理由で辞めてしまったそうです。
他責思考
不登校のお子さんが書いた文章を読んでいて、一番の問題は他責思考だと感じました。
自分は悪くなくて、全て親が悪いという思想が文章からも強く感じられました。
彼自身が自分の努力不足や忍耐力不足だと感じることがない限り、大きく変わることは難しいのではないでしょうか。
実際に大学をやめたあとの仕事も、長くは続いていないようです。
自己肯定感
人は好きなことだけして生きてはいけないし、生きていれば人から否定されることも多く出てきます。
最近は自己肯定感が大切と言われ、幼い頃は何でも肯定したほうが良いという風潮が強いですが、彼を見ているとそれが正しいのかわからなくなります。
もし彼が幼い頃からダメなことはきちんと否定され、将来のことについても少しずつ教えられていれば、中学2年生で大きな衝撃を受けることもなかったのではないでしょうか。
そして不登校を親の責任にすることもなかったのではないかと感じます。
お金の話
幼い頃は勉強のことやお金のことは、うるさく言わないほうが良いと思われる方もいますが、彼を見ているとお金のありがたみをわかっていないと感じます。
だから通信制の大学に通わせてもらったにもかかわらず、簡単にやめてしまったのではないでしょうか。
「勉強の大切さを教える時期」にも書きましたが、子供が大きくなってから親が急に勉強やお金の大切さを語っても、子供には響きにくいと感じます。
これまで子供任せであやふやにしてきたことを、反抗期の子供に急に伝えても、子供が反発するのは当然だと思います。
だから、まだ素直な幼い頃から、少しずつ勉強の大切やお金の大切さ、社会の仕組みについて、教えていくほうが良いのではないでしょうか。
不登校の関連の話は、親の過干渉が原因とされることも多いですが、もっと前の幼い頃の育て方に別の原因があったのではないかと感じることも多いです。
そして不登校の子に好きなことをさせるという対応が本当に正しいのか強い疑問を抱いています。