体験からの学び | 普通の子がこつこつ頑張る中学受験

体験からの学び

体験からの学ぶ教育は優秀な子向け

中学受験関連の本でも、幼児期や低学年のうちはたくさん体験をさせて、体験から学ばせるのが良いと書かれてるものが多いと感じます。

そして中学受験のために、幼児期や低学年のうちは、たくさん体験をさせようと思ってらっしゃるご家庭も多いと思います。

ただ、私はこの教育には、以前から疑問を持っています。

のびのび遊べば賢くなる子」でも書きましたが、こういった体験からの学びは、優秀なお子さんに合う教育方法だと思います。

普通の子は多くの体験をさせても、数年経てば忘れるし、直接ペーパーテストにいかせる可能性は、とても低いと思います。

>> 息子のプロフィール

普通の子は忘れる

息子とは毎年家族で季節の花や風景を見に行ってます。

だけど息子は年中の時にやっていた幼児向けのプリントの中で、季節と花を線で結ぶ問題を間違えました。

しかも毎年、見に行っていた花の季節を間違えたのです。

でも、考えてみれば当たり前のことなんですよね。

例えば5歳の子供の1年と、30歳の大人の1年では、これまでの人生に対する1年の割合が大きく異なります。

5歳の子の1年は、これまでの人生の5分の1の長さになり、これは30歳の人の6年分にあたります。

6年前のことなんて普通の人なら忘れていることも多いし、そう考えれば覚えていなくて当たり前なんですよね。

中学受験のカリスマ家庭教師の先生も「小さい頃に世界遺産を見に行っても、高学年になったら忘れている子もいる」とおっしゃていたと思います。

普通の子にとっての体験とはその程度のものなので、体験からの学びに過度な期待をするのは良くないと思います。

学ばせたい所ではなく子供と行きたい所に行く

息子が毎年見に行っていた花の季節を間違えた時、私は少し驚きましたが、少しもがっかりはしませんでした。

なぜなら花や景色を息子と見に行くのは、私のただの趣味であり、息子の勉強や受験のためという下心は一切なかったからです。

分数の理解度」にも書きましたが、これで子供が賢くなるかもという下心があると、そうならなかった時に多少がっかりしたり、ショックを受けます。

でも純粋に行きたかった場所に子供と一緒に行っただけなら、全く気になりません。

実はこれまで世界遺産も、いくつか息子と一緒に見に行っています。

今のところは覚えているものもありますが「〇〇県で△△見たよね」と全く別の県を言ったりしています。

でも、普通の子はそんなものなのだと思います。

幼稚園時代や低学年の時に見た世界遺産のことなんて、詳しく覚えていなくて当然です。

何なら社会が始まる頃には、行ったことすら覚えていない可能性のほうが高い。

でも純粋に親子で楽しむために行った旅行なら、中学受験のためになっていなくても、きっとがっかりしないはずです。

幼児期や低学年の頃の旅行や体験は、中学受験や後の勉強とは切り離して、純粋に親子で楽しめるものを選んだほうが良いと思います。

体験は無意味ではない

体験から学ぶことを散々否定してきましたが、それはあくまで直接中学受験にいかそうとする場合の話です。

私は小さい頃から息子とたくさんの場所に行き、一緒にたくさんのものを見て、たくさんの体験もさせてきました。

息子は、それらの多くを詳しくは覚えていません。

だから中学受験の社会や理科で直接役に立つことはないと思います。

だけど息子を見ていると、好奇心が旺盛で何事にも意欲的です。

息子がそのように育ったのは生まれつきの性格もあるかもしれませんが、多くの体験から新しいことを知ることの面白さを学んだからだと思います。

直接的な学力には影響しなくても、子供の知的好奇心を育てる上で、たくさんの体験をさせることは役に立つのではないかと思います。

せっかくの体験が台無しになることも

少し前に息子と一緒に動物と触れあえる体験施設に行ったのですが、実際に動物と触れ合えるまでは並んで待つ必要がありました。

その時、前に並んでいた3、4歳ぐらいの子が、並んでいる途中に「まだ~」、「早く~」と騒ぎだしました。

お母さんは仕方なくスマホを渡して、子供にゲームをさせて待たせていました。

そして体験の順番がきても、その子は動物に興味を示さず夢中でゲームをしていました。

お母さんがスマホを取り上げると「まだやりたい」と騒ぎだし、その後もお母さんの鞄から必死でスマホを取り出そうとしていました。

最終的にお母さんに言われて少し動物と触れ合っていましたが、あまり楽しそうには見えませんでした。

その子にとっては目の前にいる本物の動物よりも、その時は画面の中のゲームのほうが、刺激的で面白いと感じるものになっていたのだと思います。

ただ、そうなってしまうと、せっかく色々な体験させても、なかなか知的好奇心が育ちにくいのではないかと思います。

子供の中で、その日の一番の刺激がゲームになってしまうと、体験から感じる刺激や感動も弱まってしまう気がします。

だから幼い子供のデジタル機器との付き合い方は、ある程度、慎重にしたほうが良いと私は思います。

絶対に触らせてはダメだとは思いませんが、どこかに体験に行く日だけでもデジタル機器と距離を置くことは大切だと思います。

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