地頭
たまに早期教育や先取学習は地頭の良い子以外はしてはいけないという意見をネット上で見かけます。
大きくなれば早期教育した子の大半が、後から始めた優秀な子に追いつかれてしまうことが理由のようです。
だけど、追いつかれる子供達にとって本当に早期教育は意味のないものなのでしょうか?
アベセダリアンプロジェクト
このブログでも何度か取り上げていますが、昔、海外でアベセダリアンプロジェクトというIQ向上を目的とした実験が実施されました。
貧困層の子供達を2グループに分けて、一方のグループの子供には早期からIQを上げるための教育的な介入をし、もう一方のグループの子には教育的な介入は一切しませんでした。
その結果、教育的な介入をした子供達のほうが学歴が高くなりました。
ですが、もしも教育を受けた貧困層のグループの子供達を、生まれつき良い環境で育った優秀な子供達と比較していたなら、教育を受けた貧困層の子供達は、後で追いつかれる形になっていたのではないでしょうか。
この実験で教育を受けた子供達はものすごく優秀に育ったわけではなく、あくまで同じような境遇の子と比べれば学歴が高くなったというだけです。
実際に幼児期に教育を受けたグループで大学卒業した人が23%なのに対して、教育を受けてないグループでは6%という差であり、教育を受けた子供達も全員が子が大学を卒業したわけではないのです。
だから、もしこの実験で教育を受けた子が、生まれつき優秀な子や恵まれた家庭の子供達と比べられていれば、きっと乳幼児期の教育は意味がないと判断されていたと思います。
比較
日本で早期教育や先取学習が無意味だと言われる際に比較されるのは、大抵後で伸び悩んでしまう子と、後から追いつく優秀児です。
早期教育も先取学習もせずに、学校の勉強についていけなくなり、宿題すらまともにできず、それが原因で不登校になるような子は無視されます。
だけど、早期教育や先取学習しても追いつかれて平凡な成績になる子は、一歩間違えれば学校の勉強にもついていけないような勉強嫌いになり、不登校になっていた可能性が高いのではないでしょうか。
天才児
私は地頭の良い天才こそ早期教育や幼児教育は無意味だと考えています。
なぜならそういう子は、遊びの中から自然と学び、勝手に知識を蓄えて、自分で学習し、勉強ができるようになるからです。
幼い頃は遊びから学習するから遊ばせるべきだと言われるのは、こういった優秀な子の印象が強いからだと思います。
だけど、実際こういうケースに当てはまる子は少数派だと思います。
勉強が苦手な子ほど、苦手意識を持たないように早くから学習を開始したり、幼いうちから学習習慣をつけてあげたほうが良いのではないでしょうか。
本当に手をかけるべきなのは、地頭の良い天才児ではなく、放っておくと落ちこぼれてしまうような普通から下の子供達なのではないかと思います。
我が子を天才だと思いたい親は多いと感じますが、冷静に子供の能力を見ることは大切だと思います。