二月の勝者15巻を読んで(ネタバレあり) | 普通の子がこつこつ頑張る中学受験

二月の勝者15巻を読んで(ネタバレあり)

すきま時間に読んでいたので時間がかかりましたが、やっと二月の勝者の15巻を読み終えました。

ネタバレを多く含んでおりますので、ご注意ください。

ずっと心配だった今川さん

私がこの漫画を読みはじめた頃に一番心配していたのが、島津くんと今川さんの二人です。

二月の勝者を読まれてない方に簡単に説明すると、島津くんは父親から教育虐待を受けている子で、今川さんは母親のプライドの高さから実力とかけ離れた高偏差値校を目指しています。

島津くんの問題はほぼ解決していましたが、15巻ではずっと心配だった今川さんに希望の光が見えてくる展開でした。

ドラマの二月の勝者も見ましたが、今川さんの心境の変化はあっさりと描かれており、あまり見ごたえはありませんでした。

ですが漫画では今川さんの心境の変化が、とても丁寧に描かれています。

母親の中にも少し響くものがあったようで、これからきっと少しづつ変わってくれると思います。

架空の人物ですが、漫画を読みながら本当に良かったという思いが溢れて、涙が止まりませんでした。

今川さんの中学受験が良い結果になってほしいと思います。

二月の勝者は中学受験の世界がリアルに描かれていると言われています。

私も二月の勝者を読む中で中学受験の知識を得ることも多く、とても勉強になりました。

中学受験を予定されている方や、中学受験に興味のある方で読まれていない方は、是非一度読んでみてください。

>> 息子のプロフィール

胸にささる経験者の言葉

15巻では、今川さんが1月に学校見学行った際の説明会の様子が描かれていました。

その中で1年前に同じように学校見学に来た父親が、自分の実体験を話す場面があり、その父親の言葉がとても胸にささりました。

以下の文章は「二月の勝者 ー絶対合格の教室ー 15巻」からの引用となります。

…この時期に、急に、「今まで訪問したことのない学校のイベントに来る」、ということが、どういう意味を持つのか。今、ここにいる皆様には、説明は不要でしょう。

去年のわが家ですが、娘が目指していた学校は、秋の時点でとても到達できる様子はなく…それでも諦めず年末まで走り続けました…

しかし、できない過去問に向き合い続けるには娘は幼く…

日々 自信を失っていく娘を前に、一旦、立ち止まり、まずは自信を回復させてあげようと、こちらの入試体験会に参加したところ…

とても丁寧な解説授業や、素晴らしい学校の設備など、娘本人がいたく気に入り「どうしてもカサブランカを受けたい」と。

なので2月1日にこの学校を受けました。

1日に合格をいただいた後は、さらに偏差値の高い学校を受ける予定でしたが、娘が「カサブランカだけでいい、もう試験は終わりにしたい」と言ったので、わが家の受験はそこで幕を閉じました。

受験を終えてすがすがしい表情の娘を見ていたら、もしかしたら自分達は今まで大きな間違いをしていたのではないかと気づき始めました。

果たして、今まで「娘に合う」と真剣に考えて志望校選びをしてこれたのか?

今までの学校選びは、世間体や見栄でしてきたのではないか?

二月の勝者 ー絶対合格の教室ー 15巻

その父親も今川さんの母親と同じく、この学校を志望校リストにも入れていませんでした。

子供の中学受験に夢を抱き、憧れの学校を子供と一緒に目指して頑張ってきたけど、どうしても届きそうにない。

その現実を受け入れるのに時間がかかった結果、6年生の1月という時期に、急遽志望校リストにも入れていない学校を見学することになったのだと思います。

今川さんの母親は、その話の途中で自分を否定されたように感じて耐えられなくなり席を立ちます。

まだ自分の子供の本当の実力や、志望校には届かないという現実を受け入れきれていないのだと思います。

憧れや夢を捨てて現実を受け入れることは、容易なことではないと感じます。

ただ、その後に少し心が揺れている描写があったので、今川さんの母親はきっと変われると思います。

私はなるべく早くに、息子の学力に見合う学校や併願校を見つけたいと思っています。

それでも5年後、もしかしたら今川さんの母親と同じことをしているかもしれません。

息子は先取で下駄をはかせている状態なので、生まれつきの優秀層が本気を出したら、ごぼう抜きにされるタイプの子です。

今回の話を胸に刻みつつ子供の実力を冷静に見たいと思いました。

子供を信じるということ

今川さんの母親は作中で子供の実力に疑問を抱きつつも「私が信じてあげなくてどうするの。」と言っています。

だけど子供を信じることと、子供の実力を過大評価して現実を受け入れないといことは、全く違うと思います。

小学生の子供はまだ幼いので、根拠のない自信を持っている子もいます。

その分、親は冷静に子供に実力を見て、志望校を選ぶ必要があると思います。

本当に子供を信じているなら、子供はどんな学校でもやっていけると思えるはずです。

偏差値に振り回されず、冷静に学校を選ぶことは大切だと思います。

ご縁

黒木先生は「ご縁」という言葉が好みではないそうですが、私は好きです。

合格をくれた学校が縁があった学校だという考え方はとても素敵だと思います。

心からそう思えるなら、受かったのが第一志望の学校でなくても、その受験は失敗ではなく成功だと思います。

当初行きたかった学校や憧れていた学校ではなくても、楽しく通っている子供も多くいます。

そうなるためにも、ここが本当に子供に合う学校だったと親が気持ちを切り替えることが大切だと思います。

ミッションスクール

今川さんの母親に大変不評だったミッションスクールの教育理念ですが、私はとても感銘を受けました。

どちらかといえば最先端の教育やグローバル教育より、こういった心の教育に惹かれます。

特に作中に登場する「自分を認め、他者を認める」「変わらないものを受け入れ、受け入れるために変わる」という言葉が、とても素敵だなと感じました。

漫画の中の架空の学校ですが、素敵な学校だと思います。

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