子供の教育
用心深くて詐欺には騙されない人でも、子供の教育となるところっと騙されてしまう人が多いように感じます。
その最たるものが、小さい頃はのびのび遊んでいたほうが、勉強や先取をするよりも優秀に育つという説です。
でも、よく考えてください。
例えば中学の時から毎日3時間勉強してきた高校生と、高2まで毎日遊んで過ごしていた高校生がいたとして、前者の子が中堅大学にしか合格できず、後者の子が難関大学に合格したらどう思いますか?
後者の子は高2まで毎日遊んでいたから、遊びの中から色々学んでかしこくなったのだと思う人は稀ではないでしょうか?
多くの人は持って生まれた地頭の差だと考えますよね?
でも、なぜか中学受験になると、それは遊びや体験の中から学んだからだと言われます。
そして、それにすっかり騙されてしまう人も多いと感じます。
専門家
実際に中学受験関連の本の中には、低学年までは遊びや体験が大切と書かれているものが多いです。
だけど専門家だからといって、必ずしも正しいことを言っているとは限らないと思います。
教育関連の話の中には、根拠となる統計や実験結果などはなく、その人が見た一部の子供達を中心に書かれていることも多いです。
例えば親の学歴が同レベルの家庭の子供を集めて、3年生までは勉強せずにのびのび遊ぶグループと、3年生までにガリガリ先取するグループを作り、4年生以降の偏差値の平均を比べた結果、前者のほうが高かったというなら納得できます。
でも実際に、そのような実験をすることは難しいでしょう。
だから中学受験の話は「私が見た優秀な子供は…」という視点で語られることが多いと感じます。
そして、そういった話には必ずその人の色眼鏡が入ります。
その人が見たいものから外れた子は、その人の目にはうつりません。
小さい頃から先取せずにのびのび遊んで、中学受験の勉強についていけずに勉強嫌いになって中学受験から撤退した子の話が、その人の口から語られることはありません。
だから、きちんとした統計結果などの数値がないものに関しては、話半分で聞いておいたほうが良いと思います。
体験の効果
息子は幼い頃からたくさんの体験をしているので、体験の効果を全て否定することはできません。
ただ、今のところ体験の効果が直接的に学力に反映されているとも思えません。
「体験から学べるのは優秀児」でも書きましたが、息子の日常での体験が勉強につながっていると感じることは稀です。
あえて日常の体験から自然に思い出させなくても、テキストで問題が出た時に、実物を見せたり実験すれば良いのではないでしょうか。
そういう時間を確保するためにも、私は先取学習が有効だと思います。
今なら分数の仕組みや割合の意味を、具体物や生活と結び付けて、丁寧に何度でも教えられる時間があります。
でも高学年になれば、やることが増えて焦り、丁寧に教える時間は今よりも少なくなると思います。
子供はやり続けなければ、どんどん忘れていきます。
小さい頃に何度か体験したところで、その勉強が始まる頃にはすっかり忘れていたり、勉強と体験がうまく結びつかないこともあります。
だから体験からの自然な学びに期待するよりも、時間のあるうちに先取して丁寧に何度も教えたり、時間をかけて暗記していくほうが良いと私は思います。